鉄道居酒屋「新横浜機関区」 14年の歴史に幕(みんなの経済新聞ネットワーク) – Yahoo!ニュース
元国鉄職員が店主を務める「昭和の国鉄」をコンセプトにした居酒屋「新横浜機関区」(横浜市中区吉田町)が7月26日に「ラストラン」と銘打って閉店、9月14日に同店で「新横浜機関区お別れ会」が開かれた。(ヨコハマ経済新聞)
【写真】新横浜機関区 最後の集合写真
新横浜機関区は2011(平成23)年2月17日に開店。1971(昭和45)年から14年間国鉄で勤務した店主の花島信之さんが還暦を迎えた際に「第二の人生」として始めた。
店内には鉄道模型Nゲージを設置、窓からはJRの列車が走る様子が見え、メニューも鉄道にちなんで「入場券」で「お通し」が出たり、「急行券」で「冷やっこ」が食べられるなど、鉄道愛が随所に見られ、鉄道ファンが多く通う店だった。
7月26日の段階では、再開をする可能性があったが、調理を担当する家族の体調を鑑み、完全に閉店を決意。店舗を明け渡す前日に「これまでの感謝をこめて」と常連客らが「お別れ会」を設けた。
会を呼び掛けた金沢区の沼川滋さんは「7月はまだ復活するかもと思っていたので、区切りをつけなかった。最後に花島さんに感謝の気持ちを伝えたかった」と話し、14年で150回くらい通ったという南区在住の尾形憲昭さんは「毎年12月30日は機関区に集うのが慣例だった。2020年から2023年はコロナで集まれなかったが去年は人数少し減らして24人で集まった」と、自身が撮影した歴年の集合写真を示し、同店で過ごした時間を振り返った。
花島さんは「楽しかったですよ。60過ぎて、自分の店を持って、何度か潰れるっていわれながらも、ここまでやってこれた。楽しい思い出ですよ」と目を細めた。これから先については「あとは、野球とサッカーの応援」と笑う。
15時から始まり18時までの予定だったお別れ会には、約60人が来場。19時を過ぎても名残を惜しみ、10数人が店にとどまっていた。
閉店を促そうと客の一人が鉄道アナウンスになぞらえて、声を上げた。「新横浜機関区はこれにて回送となります。この列車は車庫に入ります」。