このエントリーは「裏 法務系 Advent Calendar 2021」の2日目の記事として投稿されたものです。
dtk1970様からバトンを受け取りました。
最近、離乳食の北海道産コーンにハマっています。甘くておいしいです。
さて突然ですが、皆様が台湾関係のお仕事をすることになった場合に備え、今年は「台湾法務お役立ち情報」をご提供します。
1.法令を検索しよう!台湾版e-Gov法令検索
法律の基本は条文から。
ということで、台湾の法令検索システムをご紹介します。
右上の検索窓に法令名を入れて「查詢」をクリックすると、条文が出てきます。
上記の注意事項のとおり、日本人にとって使用するのに少しハードルが高いツールですが、とにかく台湾にも法令検索システムはあります。
また、主要な法令については英文版も掲載されていますので、英文版がある法令については、最低限、どのようなことが書いてあるか把握することができます。
2.商業登記を見よう!
次に、商業登記を見てみましょう。
こちらは経済部(日本の経済産業省に相当)が運営するWebページで、商業登記が無料で見れます。
画面右上の「Language」で英語画面に切り替えることもできます。
色々と制約があり使いづらいところもありますが、日本に居ながら無料で台湾の会社の登記記録が閲覧できますので、知っていて損は無いと思います。
なお、商業登記検索は会社名(繁体字)のほか、「統一編號」でも検索することができます。
「統一編號」は日本で言うところの法人番号(?)に相当するものです。
日本では日々の仕事で法人番号を使うことはあまりありませんが、台湾では領収書発行の際に統一編號を使用するので、日本よりも馴染みがあります。
会社名で検索することができない場合でも、もし統一編號が分かれば検索できますので、試してみてください。
3.勞動基準法に注意しよう!
恥ずかしながら私は日本の労働基準法についてはほとんど何も知らないのですが、台湾の労働基準法は日本よりも厳しいです。
お世話になった法律事務所の先生は、セミナーで
日本の労働基準法と同じだと思って対応し、失敗される方が多いので、日本の労働基準法の規定はいったん全て忘れてください。
とお話しされていました。
ところが、私は日本の労働基準法を全く知らないので、そのようなおそれはありません。
以下、印象に残っている台湾の勞動基準法の規定を箇条書きで記載します。
- 一部の例外を除き、労働契約は無期契約しか締結できない。(期間の定めのある労働契約を締結することはできない。)【勞動基準法9条】
- 従業員が退職後に競業企業へ転職することを禁止する契約を締結することについて、規制が存在する。この規制がかなり厳しい。【勞動基準法9-1条】
- 従業員を解雇する場合の条件がすごく厳しい。判例も複雑。【予告解雇につき、勞動基準法11条】
- いわゆる「一例一休」(「例假日」と「休息日」)の制度がある。よくわからん。【勞動基準法36条】
4.公証役場に行こう!
公証人のオジサンが七色に光るキーボードで書類を作っていたのが今でも印象に残っています。
5.雑記
ということで、日本でも活用の機会がありそうな台湾法務ネタを幾つか紹介しました。
あと、台湾法務とは全く関係ないのですが、今年、私が前職でお世話になったA監査役(元、法務部長。後に取締役を経て監査役に就任されました。)が退任されました。
法務関係の記事ということで、こちらもご一読いただけると非常に嬉しいです。
明日のAdvent Calendarはちひろ先生@弁護士さんです。