愛猫の輸出手続 第二章:「A.愛猫の日本出国手続」

猫の輸出手続
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本記事は日本から台湾への猫の輸出手続について定めた法令の内容を確認することを目的としており、必ずしも理解しやすい内容になっていません。
猫の輸出手続について書類のサンプルやフローチャート等を用いてわかりやすくまとめたページはこちらです。

本記事は2018年の秋から冬にかけて筆者が調べた情報をもとに、2020年の夏に執筆されています。最新の情報を反映できていない可能性がありますので、ご注意ください。

前回の続きです。今日は主に動物検疫所のウェブサイトを確認します。

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第二章:「A.愛猫の日本出国手続」

1.愛猫の輸出検疫に関する日本法令の概要

 狂犬病予防法(以下「法」という。)において、何人も、検疫を受けた愛猫でなければ輸出することができない旨、定められている。(法第7条第1項、法第2条第1項第2号)検疫に関する具体的な事務は農林水産省令で定めることとされており(法第7条第2項)、この農林水産省令は犬等の輸出入検疫規則(以下「規則」という。)を指している。

2.公式ウェブサイトの記載内容の確認

 「A.愛猫の日本出国手続」について検討するにあたり、下記のウェブサイトを参照する。(以下、下記のウェブサイトを「出国要件公式サイト」という。)

犬、猫を輸出するには:動物検疫所
動物検疫所ホームページ

日本を出国するためには、動物検疫所において出国前に狂犬病(犬の場合は狂犬病とレプトスピラ症)についての検査及び輸出検疫証明書の交付を受けなければなりませんので、事前(出国7日前まで*)に動物検疫所にご連絡いただき、輸出検査申請書を提出するか、NACCS(動物検疫関連業務)にて申請してください。

(* 相手国の入国条件によっては、早めの連絡が必要になる場合があります。 )

https://www.maff.go.jp/aqs/animal/aq12-1.html
動物検疫所
犬、猫を輸出するには

 入国要件公式サイトによると、「A.愛猫の日本出国手続」の要件は次のとおり。

  • A-1.愛猫に対し、出国前に動物検疫所で狂犬病検査を受診させること(規則第3条)
  • A-2.動物検疫所から輸出検疫証明書の交付を受けること(規則第9条第1項)

3.狂犬病検査の実施方法および輸出検疫証明書の発行手順について

(1)輸出検疫証明書発行までの流れ

 狂犬病検査の実施方法について出国要件公式サイトには詳細な説明が無いものの、規則において狂犬病検査の内容について定められている。すなわち、原則として愛猫は12時間以内であって家畜防疫官が必要と認める時間の間、動物検疫所に係留する旨、定められている。(規則第4条)

 そして、検疫終了後、家畜防疫官は規則別記様式第五号の四による「狂犬病予防法に基づく動物の輸出検疫証明書」を発行する。(規則第9条第1項)なお、本稿で「輸出検疫証明書」と称している書類は全てこの「狂犬病予防法に基づく動物の輸出検疫証明書」を指している。

(2)「B.愛猫の台湾入国手続」および「C.愛猫帰国時の待機期間短縮手続」との関連性

 出国要件公式サイトには下記の注記が存在する。

入国条件で求められている処置や検査結果を、動物検疫所が発行する輸出検疫証明書に記載する必要がある場合は、開業獣医師の発行する証明書や検査機関の発行する検査結果通知書を事前に取得し、動物検疫所の出国検査の際に原本を提出してください。

https://www.maff.go.jp/aqs/animal/aq12-1.html
動物検疫所
犬、猫を輸出するには

 前述のとおり、「A.愛猫の日本出国手続」として要求される要件は2点しか存在しないが、これはあくまでも愛猫が日本を出国するためだけの要件である。日本を出国できたところで、「B.愛猫の台湾入国手続」を満たしていなければ、愛猫は台湾の空港から出ることができない。「B.愛猫の台湾入国手続」の詳細については第三章で説明するが、輸出検疫証明書の中に一定の事項について記載を受けることが「B.愛猫の台湾入国手続」として定められている点につき、注意が必要である。

 また、「C.愛猫帰国時の待機期間短縮手続」においても、輸出検疫証明書の中に一定の事項について記載を受けることが定められているため、この点については第四章で確認する。

4.提出書類および検査日

 規則第3条第1項により、輸出検疫の申請は規則別記第三号の「狂犬病防止法に基づく動物の輸出検査申請書」に基づき行うものと定められている。また、出国要件公式サイトでは、出国7日前までに動物検疫所へ連絡する旨記載されているが、筆者が調査した限りでは、当該記載について言及した法および規則の規定を確認することはできなかった。おそらく、7日の根拠は動物検疫所内部の通達等によるものと推測される。なお、実際の輸出に際しては、7日前という日数にこだわらず、できるだけへ連絡すべきである。

5.まとめ

 本稿においてこれまでに確認した手続および要件ならびに法令上の根拠は次のとおりである。

要件番号要件提出書類根拠規定
A愛猫の日本出国手続
 A-1 愛猫に対し、出国前に動物検疫所で狂犬病検査を受診させること狂犬病予防法に基づく動物の輸出検査申請書規則第3条第1項
 A-2 動物検疫所から輸出検疫証明書の交付を受けること規則第9条第1項

(第三章:前半に続く)

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