台南市仁徳区の奇美博物館

ライトアップされた奇美博物館 台湾ライフ

台南市仁徳区の奇美博物館に行ってきました。

もともと「台南に武器の博物館がある」という程度の事前情報だけで行ってみたのですが、行ってみてビックリの超立派な博物館でした。

楽しかったので、備忘のためメモしておきます。

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1.奇美博物館とは

(1)奇美博物館のあらまし

台湾には奇美実業という超大企業があります。その奇美実業の創業者である許文龍氏が設立した博物館が奇美博物館です。武器だけでなく、絵画、彫刻、楽器、動物標本等の展示があります。

私も含め、なぜか周りの日本人は皆「武器の博物館」と言っていましたので、武器しか展示していないと思っていましたが、これは大きな誤解でした。絵も彫刻もあります。

 奇美博物館は、西洋絵画、彫刻、楽器、兵器、動物の標本など、多種多様なコレクションを有する総合博物館です。館内には、芸術ホール、楽器ホール、兵器ホール、動物ホール、ロダンホール、彫塑アベニュー、特別展示ホールがあります。それぞれの館内展示ホールでは、どなたでもお好みのタイプの展示物を見つけることができます。「文明の奇と芸術の美」の双方を体験できる大衆の博物館です。

奇美博物館公式HP(日文Ver.)

許文龍氏は小さいころから将来博物館を開くことを夢見ていました。事業で成功した後、ついに博物館を開きます。今の博物館は2代目の建物で、土地は台南市政府に寄贈されています。その土地ですが、めっちゃ広いです。奇美実業の財力にビビります。

 奇美博物館は奇美グループ創業者である許文龍氏が、幼少期から老年に至るまで八十年に亘って抱き続けた夢を実現したものです。
 許氏は幼い頃、台南州立教育博物館へ見学に行くことがよくありました。幼心に受けた深い感動は文化的な種となって根付き、自分の家のように、いつでも帰って心の饗宴を享受できる、大衆のための博物館をいつか建てたいと願うようになりました。やがてプラスチック素材の事業が安定した後、まず個人的に美術品コレクションの蒐集を始めました。後に基金会が設立されるとともに、奇美実業のサポートを受けて1992年に奇美博物館が創設され、奇美実業仁徳工場内において二十年余り無料開放による運営が行われました。更に奇美博物館が誇る所蔵品をより良い状態で保存、展示するため、十数年もの努力を経て新たな移設先を見つけ、遂には現在の博物館の姿である美しい西洋建築が建てられました。創業者である許氏は「この博物館が永久に大衆のために在ること」を願いました。
 奇美博物館は西洋芸術・楽器・兵器・動物標本や化石などを主に所蔵しており、全所蔵品の約三分の一となる計四千点余りを展示しています。創業者である許文龍氏は「よい文物は自分で鑑賞するだけではなく、より多くの人にも見てもらって分かち合わなければならない。文物の蒐集は自分の好みだけではなく、大衆に好まれることがより大切だ。」と述べています。

奇美博物館公式HP(日文Ver.)

(2)ボランティアスタッフ

行ってみるまで奇美博物館についてめちゃくちゃ無知だった私がどうしてここまで詳しくなったかというと、絵画鑑賞中にボランティアスタッフのLさんから説明を受けたからです。

ホラ、博物館に行くと、大声ではしゃいだり写真を撮ったりしないよう、スーツを着た係員の方がいらっしゃるじゃないですか。あの係員さんです。

伺った話は次のとおり。

  1. 許文龍氏さんについて
  2. 奇美博物館について
  3. Lさんをはじめ、展示ホールにいるスーツを着た係員の方は全員ボランティアであること

1つ目の話と2つ目の話は紹介したとおりですが、3つ目もすごくないですか!?

許文龍氏の志に共感した方が持ち回りのボランティアで係員の仕事を担当されているとのことです。

そして、この説明をしてくれた係員のLさんはとても流暢な日本語でした。ご丁寧に説明いただきありがとうございました。

(3)写真撮影

なんと珍しいことに、奇美博物館では、原則、写真撮影OKです。

一部、写真撮影NGのところもあるので、撮影前には係員の方に確認していただきたいのですが、原則撮影OKというのは凄いですね。

2.基本情報

(1)住所および開館時間

  • 住所:台南市仁德區文華路二段66號
  • 開館時間:9:30~17:30(水曜日休)

(2)アクセス

高鉄台南駅からH31という無料シャトルバス(台南市政府線)が出ているらしいですが、筆者は台鉄で最寄りの保安駅まで行き、保安駅から歩いて行きました。歩いて10分ぐらいです。

保安駅の周辺はローカル感が漂っており、すごくいい感じでした。

台鉄保安駅の駅前
【クリックで拡大】奥が保安駅

1月の天気が良い日だったのでお散歩が気持ちよかったですが、夏だったら暑くて死んでたと思います。

途中、歩道が狭いので車に轢かれないよう気を付けてください。

以下、交通手段一覧を掲載しておきます。

<台鉄台南駅から>
タクシーで約20分。バスの場合は、5番の大甲里行き、もしくは紅3番か紅4番に乗車し「奇美博物館」バス停下車。※紅3番、紅4番は博物館の後方に着きます。

<台鉄保安駅から>
博物館後方入り口まで、ゆっくり歩いて約10分。

<高鉄台南駅から>
無料シャトルバスH31(台南市政府線)に乗車し「奇美博物館」バス停下車。

<台南空港から>
タクシーで約5分。バスの場合は、5番に乗車し「奇美博物館」バス停下車。(お隣のバス停です。)

奇美博物館(台南)[CHIMEI MUSEUM] | 台湾観光-台北ナビ (taipeinavi.com)
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3.個人的な見どころ

(1)庭と建物外観<昼間>

庭も建物も大きいです!

繰り返しになりますが、奇美実業の財力にビビります。

奇美博物館の庭
【クリックで拡大】外の広場

広場では着飾った婦人たちが。

博物館の係のお姉さんの指示で写真撮影されていたので、おそらく、広報用の写真か何かを撮っていたのだと思います。

奇美博物館で指示を出す係員
【クリックで拡大】ベストポジションで撮影準備
奇美博物館で撮影する係員
【クリックで拡大】ベストポジションで撮影中
奇美博物館の広場
【クリックで拡大】係のお姉さんが撮影中のため、筆者は少し斜めにズレた角度から撮影

(2)兵器コーナー

みんな大好き兵器コーナーです。

弓、鉄砲、剣、などなど、洋の東西を問わずたくさんあります。

また個人的に驚いたのは、日本刀の所蔵が多かったことです。

台湾の地で数多くの日本刀を鑑賞することになるとは夢にも思いませんでした。

(3)絵画コーナー

エマオの晩餐

Girolamo da Ponte, a.k.a. Gerolamo Bassano作のエマオの晩餐 (The Supper at Emmaus)
【クリックで拡大】エマオの晩餐

この絵が気になったので、写真に撮っておきました。

写真で見るとあまり分からないかと思いますが、実物で見たとき、めっちゃ遠近感が出ていたので印象に残ったのです。

おうちに帰った後、この絵について調べてみました
  • タイトル:The Supper at Emmaus(エマオの晩餐)
  • 作者:Girolamo da Ponte(ジロラモ・ダ・ポンテ), a.k.a. Gerolamo Bassano イタリア、1566-1621

だ、そうです。知らんがな。

ということで、もうちょっと調べてみました。

エマオの晩餐とは

イエス復活後に弟子とご飯を食べる話で、元ネタはルカの福音書らしいですね。

カラヴァッジョとかレンブラントとかが描いた同作の方が有名らしいです。

ルカの福音書なら昔むかしに目を通したはずですが、全く覚えていないです。

福音書ってマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの順で並んでるじゃないですか。だからマタイはまぁそれなりにしっかりと読んだとしても、あと3つはもう流し読みになっちゃうから(筆者が)ダメですね。

ということで、ルカの福音書が元ネタのようです。

で、疑問ですが。

イエス、どこにいるの?

よくわからなかったので、中文の解説を見てみました。

Girolamo da Ponte, a.k.a. Gerolamo Bassano作のエマオの晩餐 (The Supper at Emmaus)の中文解説
【クリックで拡大】中文解説

巴薩諾家族泛指十六、十七世紀在威尼斯及威尼托等地義大利畫家家族。本作取自<聖経>、両位前往以馬忤斯的信徒未認出眼前的是復活的耶蘇、直到用餐時耶蘇分開麺包、両位信徒才認出他。左側的厨房景象結合右側耶蘇與信徒們的用餐景象、協調世俗與宗教協議的扣合。

???

グーグル先生による翻訳(一部、筆者にて修正)は次のとおり。

左側のキッチンシーンは、イエスと右側の信者のダイニングシーンと組み合わされており、世俗的および宗教的合意を調整しています。

要するに右端でメシ食ってる3人がイエスと信者ですね。よくわかりました。

一つ賢くなった気がします。

アンドロメダ

ギュスターヴ・ドレ作のアンドロメダ
【クリックで拡大】アンドロメダ(Wikipediaから引用)

「え○ちな絵だから写真撮るのは気がひけるなー」と思いながらも印象に残っていた絵です。

Wikipediaで奇美博物館を調べていたら載っていました。すごく有名な絵のようですね。

(4)楽器コーナー

閉館間際で駆け足になってしまい、ゆっくり見れなかったのですが、バイオリンがたくさんありました。

駆け足ながらにバイオリン工房の写真は撮りましたのでご参照ください。

奇美博物館のバイオリン工房
【クリックで拡大】バイオリン工房の展示

(5)建物外観<夜>

閉館時までいたので、出た時は少し暗かったです。

広場で休んでいたらどんどん日が暮れ、キレイなライトアップを拝むことができました。

ライトアップされた奇美博物館
【クリックで拡大】ライトアップの様子

4.最後に

亀山島周遊クルーズの記事でも紹介したkkdayさんで奇美博物館のチケットを購入することができます。

もちろん、当日そのまま受付で購入しても問題ないですが、不安な方は予約されるとよいかもしれません。

とにかく楽しかったので、オススメです。

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