2020年8月7日、崎陽軒が台北で営業を開始しました。何を隠そう、私は出張で東京から大阪に行く際、朝ご飯として必ずシウマイ弁当を食べるほどシウマイ弁当が好きなのです。品川あたりで弁当箱を開け、新横浜に着くころにはもう既に食べ終わるというほど好きなのです。
台北にシウマイ弁当がやってくると聞いたときは狂喜乱舞でしたが、先遣隊の同士の方から「日本のシウマイ弁当と味が違う」「小さい」と不穏な噂を聞いていました。
そうこうしていたところ、先日、別件で夕方に台北駅に行きましたので、この機会にシウマイ弁当を買ってみました。以下、食レポめいたものをお届けします。
1.基本情報
(1)店舗情報
- 店舗名:崎陽軒台北駅店
- 場 所:台北市北平西路3號(台北車站北二門付近)
- 時 間:10:00~22:00
インターネットの事前情報では「台北のシウマイ弁当は購入時にご飯を弁当によそうので、ご飯が暖かい」と聞いていましたが、私の場合はもう既にご飯が弁当箱に詰めてありました。買いに行ったのが19時頃で、もうすぐ売り切れだったから?と推測していますが、この点は全くどうでもいいです。そう、どっちでもいい。
(2)価格
シウマイ弁当:175TWD(約630円)
2.感想
(1)小さい!
買ってみて、まず感じたのが、全体的に小さいなあという点。気になったので、弁当箱のサイズを計りました。
- 長辺:16.5cm
- 短辺:12cm
日本でシウマイ弁当の箱のサイズなんか計ったこと無いですが、とにかく台湾のシウマイ弁当は一回り小さいなぁという感じです。
(2)オカズに対する個別コメント
シウマイ
シウマイが3個しか入っていないです。
味は日本のシウマイと同じように感じました。
・味の再現度(筆者主観):90%
唐揚げ
サイズが小さい気がする。ただ、たまたま小さい唐揚げに当たっただけかもしれないので、確定的なことが言えない。・・・とはいうものの、冒頭で述べた先遣隊の同士も「唐揚げが日本の半分ぐらいしかなかったですよね」と言っていたので、私の違和感は間違っていないような気がする。うーん。
味は完璧に日本と同じでした。つまりめっちゃうまい。
・味の再現度(筆者主観):100%
かまぼこ
特に違和感ありません。つまりGOOD。
・味の再現度(筆者主観):90%
たまごやき
特に違和感ありません。つまりGOOD。
・味の再現度(筆者主観):90%
あんず
これは違う。日本のあんずより甘くない。そして固い。
・味の再現度(筆者主観):50%
タケノコ
これは全く違う。一言でいうとダメ。日本のタケノコは砂糖で煮た甘さですが、台湾のタケノコは現地のお弁当に入っているタケノコを若干甘く調整した味がします。設計思想の段階で、もうベツモノ。台湾の現地のお弁当に入っているタケノコが好きとか嫌いとかそういう話ではなく、崎陽軒のシウマイ弁当に入っているタケノコは、崎陽軒のシウマイ弁当の味として楽しみたかったという話です。
・味の再現度(筆者主観):10%
さらに、タケノコの数自体も、日本と比べて少なく感じました。折角ですので、タケノコの数をひとつづつ箸でつまんで数えてみました。結果、タケノコの数は約70粒でした。
というと、やっぱり少なく感じますね。私の感覚だと、シウマイ弁当は名称にこそ「シウマイ」を冠しているものの、実際の食べ方としては、あの大量の甘いタケノコを、白飯と焼き魚の塩気でけん制しながら、いかに口の中で三者のバランスをとって捌くかが醍醐味だと考えていますから。
というわけで、次は焼き魚。
焼き魚
居ない!お前、どこ行った!!!!!
と思ったら、ニュース記事に解説がありました。
「辛すぎる」――。自信を持って出したはずのシウマイ弁当に、台湾の客から辛口の評価が相次いだ。とりわけ不評だったのが、マグロの漬け焼きだった。
https://toyokeizai.net/articles/-/374988
「刺し身にしてもいいくらいの切り身を使っているのに、しょっぱすぎて食べられないと言われ、衝撃を受けました」(西村氏)<略> 検討の結果、台湾版のシウマイ弁当では、マグロの漬け焼きは採用されないことになった。
崎陽軒の台湾「シウマイ弁当」にマグロがない訳
初の海外進出に秘められた試行錯誤の舞台裏
はい、ご指摘のとおりです。
台湾の料理が薄味というのは、私も身をもって感じています。日本の「ラーメン」は外食として台湾でも市民権を得ていますが、日本に馴染みのない台湾人からすると「スープが塩辛ら過ぎる」そうです。私も台湾で日本のラーメンを食べに行った際、「味濃いめ」でオーダーしたところ、台湾人の店員さんから「お前、本当に食えるのか?塩辛いぞ?」と聞かれたことがあります。(私はもちろん平気な顔で完食しましたが。)
ということで、ローカライズの結果、焼き魚は意図的に外したとのことでした。
余談ですが、上記ニュース記事では、シウマイの数を5個から3個に減らした理由についても解説がありました。
3.まとめ
焼き魚の件は海外進出に向けた企業努力とのことでした。
私はシウマイ弁当がとても好きなため、当初の期待値が超絶高くなってしまい、結果としてかなり辛口なレビューになってしまいましたが、崎陽軒さんのことはめっちゃ応援しています。
冒頭で述べた先遣隊の同士は「シウマイは同じ味だから、弁当ではなくシウマイだけ買って帰ればいい」とコメントしていました。シウマイが好きな人からすると、おそらくこれが真理であり最適解でしょう。
ただ私のように、あくまでも「弁当」としてその他のオカズも楽しみたい人からすると、シウマイだけ買うのは何か違うような気がします。
ローカライズは企業努力の証ですので、私は文句を言わずに日本に帰って日本のシウマイ弁当を食べればよいわけですが、現状、帰れないため、悶々としています。
繰り返しになりますが、崎陽軒さんには台湾で頑張ってほしいです。