2か月前の出来事ですが、台湾でアムウェイの料理教室(というよりはこじんまりとした会合でしたので、以下、料理教室ではなく「料理会」とします。)に行く機会がありましたので共有いたします。
初めに断っておきますが、本投稿の趣旨は皆さまに対して注意喚起を促すことであり、決して私が皆さまをアムウェイに勧誘するものではありません。
以下、時系列でドラマチックに紹介します。
6月19日
妻が台北市内の露店で買い物客の列に並んでいると、30代と思われる台湾人女性(以下「M氏」という。)から声を掛けられる。M氏曰はく「友達になろう。」とのことで、妻とLINEを交換する。
6月20日から6月28日まで
M氏から妻宛に、断続的にLINEメッセージが届く。ただし、メッセージの内容は台湾の観光に関する一般的な情報であり、この段階では特に不審な点はない。
6月29日
M氏から妻宛に、料理会のお誘いが届く。「日本人の君に、台湾料理の作り方を教えてあげるよ。」という趣旨らしい。お誘いの内容は次のとおり。
- 日時:7月2日 19:00から
- 費用:約100~200TWD(材料費)
- 場所:台北MRT「忠孝敦化站」2号出口で待ち合せ
- 備考:上記場所に到着後、M氏に連絡する。M氏が会場まで連れて行く。
正直面倒くさいものの、断るのも角が立つので、参加表明。
7月1日
参加表明したものの、怪しさが払しょくできないため、妻が語学学校の先生に相談。
先生から老鼠會(日文訳:ねずみ講)という中国語を教えてもらう。
7月2日
料理会参加まで
朝
妻から私宛にLINEのメッセージが届く。
「M氏がInstagramのアカウントを送ってきてくれたので写真を見てみたら、連鎖販売取引の会社の商品の写真ばかり!ヤバい!HELP!」
筆者の追加参戦決定
妻一人で参加させるのはどう考えてもDANGREROUSなので、筆者も料理会に参加することに決定。職場の人に「今日は連鎖販売取引の勧誘員が主催する料理教室に参加せざるを得なくなりました。もし何かヤバいことがあればLINEでHELPを求めますので、その時は骨を拾いに来てください。」と説明し、早退。
こういう日に限って仕事のトラブルが発生するので、帰りのタクシーの中で電話したりメールしたり。(←これだけ見ると何となく「デキる駐在員」っぽいが、そもそもタクシーに乗って帰る理由が失笑。。。)
予習
帰宅後、家にある「図解入門ビジネス 台湾ビジネス法務の基本がよ~くわかる本」を読んだり、Google先生のお知恵を拝借したりして勉強。
しかし、本に書いてあることと言えば、
「台湾では、連鎖販売取引は公平取引法(日本における独占禁止法に相当)およびその関連法令により規制されています。」
という趣旨の解説のみ。So what ?
また、Google先生も「日本人が台湾で連鎖販売取引に関する料理会に行った話」のネタにはお困りの様子。
最終的には腹を括り、ICレコーダー一本だけ持って乗り込むこととした。
18時
妻と共に自宅を出る。
待ち合わせ場所にて。
19時
約束の場所(台北MRT「忠孝敦化站」2号出口、下記地図の場所)からLINEで連絡を入れる。
すると返信あり。
「忠孝東路四段233號の兆豐銀行に来てください。」
まるでスパイゲームの様。まるで昔見た映画の様。
侵入
結果的に、この忠孝東路四段233號の兆豐銀行の建物が料理会の会場であった。
念のために申し添えるが、兆豐銀行さんとアムウェイは一切関係ない。この建物の一階がたまたま兆豐銀行さんであるというだけの話である。むしろ兆豐銀行さんはアムウェイの会場の目印とされており、同情されるべき立場にある。
兆豐銀行の前でM氏と合流。兆豐銀行の建物に入る。エレベータで8階または9階のいずれか(筆者、妻ともに「8階または9階のいずれかであった気がする」と記憶が一致したため、このように表記するが、実際には8階または9階のいずれでもない可能性があることに留意されたい。)に上がる。小規模のレンタルオフィスというか、アパートというか、とにかくそういう感じのフロアであったが、そのうちの一室に通される。そう、ここが料理会の会場である。
料理会、開始!
会場にて。
入口をくぐるや否や、パリのエッフェル塔の巨大ポスターが貼ってある。ポスターには英語で「夢を実現させよう!」的なキャッチコピーが。うーん、怪しい。
奥に入ると、20代から40代頃と思しき台湾人女性が10~15人ほど料理の下ごしらえをされている。あっ、男は筆者一人。。。
と思いながらふと壁を見ると、壁一面にピッタリ並べられたガラスケースが。そして、ガラスケースの中には連鎖販売取引の商品が所狭しと並んでいる!!!わーお!!!!!
調理作業と食事
M氏から筆者夫妻に「ニンニクの皮をむく」という超重要ミッションが言い渡される。ニンニクは巨大ボウルに丸々一杯分入っている。(写真はイメージです)
筆者、妻、M氏の3人でひたすらニンニクをむく。途中、手がベタつくのでお手洗いへ。お手洗いの横が倉庫っぽくなっており、倉庫には連鎖販売取引の商品が所狭しと並んでいる!!!わーお!!!!!
ニンニクをむきながらのM氏のコメント。「普段はもっと早くから料理の仕込みを開始しているが、今日は遅れたので調理時間が長くなりそう。」まじかよ。早く帰りたいのに。
19時35分、ニンニクをむき終わる。ニンニクはそれぞれのお鍋にdistributeされる。
19時54分、瓜の料理が完成する。
20時13分、チジミを焼くのを見学する。もはや台湾料理ですらない。
20時26分、料理がすべて完成する。以後、食べる。
筆者夫妻は客人扱いのため片づけの食器洗い等は行わなかったが、ずっと喋っている台湾人の方と、ほとんど食べずに食器を洗ってばかりの台湾人の方がいることに気づく。「これがコミュニティ内における序列かぁ。」と思い、心を痛める。
21時59分、材料代200TWD×2名=400TWDを支払い、無事、脱出成功。
結果として普通に料理をして食事をしただけ。勧誘行為は一切なかった。
後日談
当日帰宅後は疲れを感じていなかったが、次の日、急にどっと疲れが来た。普段、あまり危機体験をしたことがないので、良い勉強となった。でも、もう行きたくない。
なお、肝心の料理の感想だが、一言でいうと「普通」。ただ、スペアリブはおいしかった。でも、もう行きたくない。